ベンチャーラボ法律事務所 | 弁護士 淵邊 善彦

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2019.04.01 TOPICS

メリットいっぱい!「認定特定創業支援等事業による支援」を受けましょう

日本経済の活性化やイノベーションの推進のために、起業を支援する施策が国や地方自治体によって行われています。本記事においては、「認定特定創業支援事業による支援」の概要について説明します。


産業競争力強化法に基づき、国の認定を受けた自治体が定める要件を満たすと、「特定創業支援等事業による支援を受けたことの証明書」が交付されます。交付を受けた創業者は、会社設立時の登録免許税軽減や創業関連保証枠の拡大などの様々な支援を受けることができます。また、東京都の「創業助成金」(前に掲載の「TOPICS」記事をご覧ください。)の申請要件にも該当します。


申請の要件や支援内容は自治体によって若干異なりますが、概ね以下の通りです。 (詳しくは会社の登記を検討するもしくは登記された自治体のホームページをご覧ください)


また、商工会議所のビジネスサポートデスクでも支援を受けて、証明書の交付が可能です。

   

交付条件(当事務所がある港区の場合)


「産業振興課主催の創業セミナーの参加または商工相談員・アドバイザー(中小企業診断士)の支援を受け、創業計画書を作成すること」


創業計画書には、始めようとしている事業内容、創業動機、販売・仕入れ先、資金計画等について書きます。記入にあたっての指導を受けながら、内容について相談するのが上記、「商工相談員・アドバイザーの支援を受けること」になります。


創業セミナーは、各自治体で定期的に実施していますので、産業地域振興課(自治体によって呼び名が違います)の受講、創業計画書の作成は、これから創業しようとする方及び創業して1年未満の方が対象です。(この、創業開始からの年限は、自治体により異なります。港区は1年ですが、渋谷区や商工会議所は5年未満です)

   

証明書の交付によるメリット(自治体により異なります。以下は渋谷区の例)


証明書の交付を受けると、様々な特典を受けることができます。


1. 会社設立時の登録免許税の軽減(東京法務局渋谷出張所)

事業を営んでいない個人または事業を開始した日以後5年を経過していない個人が、新たに会社を設立する際に以下のような特例を受けられます。

  •   ● 株式会社を設立する場合
        (通常)資本金額の0.7%(最低税額15万円)
        (特例)資本金額の0.35%(最低税額7万5千円)
  •   ● 合同会社を設立する場合
        (通常)資本金額の0.7%(最低税額6万円)
        (特例)資本金額の0.35%(最低税額3万円)
  •   ● 合名会社または合資会社を設立する場合
        (通常)6万円
        (特例)3万円


2. 創業関連保証の特例(東京信用保証協会)

無担保、第三者保証人なしの創業関連保証枠を利用した融資に事業開始前に申し込む場合、特例により前倒しで申し込みをすることができます。

    (通常)事業開始2カ月前から申込可能
    (特例)事業開始6カ月前から申込可能


3. 日本政策金融公庫の「新創業融資制度」の自己資金要件の充足

創業前または創業後税務申告を2期終えていない事業者に対する融資制度である「新創業融資制度」について、創業資金総額の10分の1以上の自己資金要件を満たしたものとして、制度を利用できます。

(通常)1期目の税務申告前の創業者(創業前の方も含む)自己資金が必要
(特例)1期目の税務申告前の創業者(創業前の方も含む)自己資金要件は満たしたものとなる


4. 日本政策金融公庫の「新規開業資金」の貸付利率引き下げ

日本政策金融公庫の新規開業資金について、貸付利率の引き下げ対象となります。利率は担保、や保証人の提供の有無により異なりますが、認定を受けていると低い利率での借り入れができます。


5. 東京都「創業融資」の金利優遇

東京都創業収支について、特例措置(「創業」の金利から0.4%の金利優遇)を受けることができます。


創業当初は資金繰りに苦労することが多いものです。早く確実に事業を軌道に乗せられるよう、創業支援施策を有効に活用しましょう。

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